「おたく、保険効くぅん?」
最近さすがに減りましたが、以前はよく聞かれました。
しかも、電話とった開口一番に。

今治では「整骨院」という看板を掲げてましたから仕方ないと思っていましたが、看板を外した今もあります。
たまぁに、ですけど。
その際は
「いやぁ、せっかくお問い合わせ下さったのにスミマセン。当院は保険を使っていないんですよぉ」
と。大概の場合、ここで
「あ、そうなんや(そうなのね)」「ガチャ」
で終わるのですが、そうじゃない場合もあるんです。
たまぁに、ですけど。
「そうなん?今行きよるとこは保険でやってくれよんじゃけど」
ひねくれてるかも知れませんが、こういうお話、ワクワクするんです。
「(保険でやってくれる、今行きよる所?保険が使えるとすると「〇骨院」ちゃうぅんw?)」

と。で、お聞きします。
「そうなんですね。頂いたお電話で恐縮なんですが、今どういったご症状でお困りなんですか?」
「え?そりゃ、アンタんとこが書いとる『腰(とか坐骨神経痛)』なんじゃわ」

「そうなんですね。急にグキッとか痛められたんですか?」
「いやぁ、いつからかは忘れたけど、ずーっと前からでのぉ、全然良ぉならんので聞いてみたんじゃわぁ」
「そうなんですねぇ。長いことお悩みなんですねぇ。もちろん、是非診させて頂ければとは思うんですけど、役所に保険の適用の申請はしてないんですよぉ。保険が使える柔道整復師っていう資格は持ってるんですけどね」
「ほなら、なんで使わせんの?保険でやってぇよ」
「そうですね。けど、もしかして病院で診てもらわれた事ってありますか?」
「おぉ、あるよ。あるけど、病院行ったかて、レントゲン撮ってシップもらうだけじゃからアカンのよ。(もちろん、そんな病院ばかりじゃないと思います思いますお)今行きよるとこじゃと、揉んだり電気したりしてくれるのにのぉ」
「そうなんですね。ま、先生方によって色んな考え方があるから一概には言えないんですけど、もし僕も保険使うとしたら、やっぱり保険ですから、病院と同じようなことしか出来ないと思ってるんです」
「病院じゃと揉んでくれんのよなぁ。揉んでくれても、チョチョチョイくらいやぞ」
「そ。だから、その先生によって色んな治療の考え方があるから、ボクの方で今行かれよる所の先生のお考えはよぉ分からんのですけど・・・とにかく、長年お腰でお悩みの方なんかは、よくお出でて下さってますよ。長年お悩みの多くの方の場合、一回でスッキリというわけにはいかないケースが多いのですが、先ずはボクの見立てを聞いていただいて、『あぁ、そういう事もあるな』と思って頂ければと思ってるんです。そういう治療ってやっぱ保険の適用範囲とは違った施術になるんですよ。もし、ご関心があられたら、一度お時間作って診させていただけませんか?」
みたいな感じでお話をさせて頂いています。
前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
整骨院・接骨院は保険が使えます。
これ、間違ってはいませんが、正確ではありません。
正確には
整骨院・接骨院で保険が適用できる傷病があります。
です。
何でもかんでも保険は使えません。
じゃぁ、何が使えるの?って思いますよね。
Google先生によると
接骨院・整骨院(柔道整復師による施術)で健康保険が適用されるのは、「いつ・どこで・何をしていて痛めたか」がはっきりしている、急性の外傷(ケガ)に限られます、とされています。
ちなみに、柔道整復師法上では「保険適用となる具体的な傷病名やルール」についての規定はありませんが、健康保険法や厚生労働省の通知や療養費算定基準などで定められています。
一般的には、骨折・脱臼・ねん挫・打撲・挫傷(肉離れなど)の急性期が対象とされます。
ザックリ言えば、「つい最近したケガ」です。
ということを踏まえると、お電話口のお父さんの
「いやぁ、いつからかは忘れたけど、ずーっと前からでのぉ」
という時点で、整骨院・接骨院で保険適用はしちゃいけません。
立派な法律違反です。
「おいおい、そんな杓子定規に法律持ち出すんかいな」
と思われるかも知れませんが、柔道整復師という国が定めた国家資格を持った者が、国が法律を作って定めた保険制度を使うのに、「ま、法律の規定なんか守らんでもええんちゃう?」と思っていいですか?
法律に基づいて、アナタのお財布から巻き上げられた保険料なのに、法律無視して使ってる人、どう思われますか?
「交通ルール?まぁ、ええやん」というタクシー運転手さん、「食品衛生法?あるんは知ってるけど、要は美味いかどうかやろがいっ!」というふぐ料理屋さん、どうです?
公共料金で運営しているNHKの台風情報でウソつかれたら嫌でしょ?
自分は、もしもそういう事を思ってお仕事されてる運転手さんや料理人さんがいたら、というか、そういう風に考えていることが分かったら、腕や味は別にして、人として嫌です。
他人がやると「不倫」、俺のは「ロマンス」とか言う人が大っ嫌いな性分なんです。
さて、ここからは「人から聞いたウワサ話」という事でお読みください。
「ねん挫」という言葉があります。上に書いた定義で言えば、整骨院・接骨院で保険が適用される傷病です。
くどいですが、ウワサ話です。
「肩こり?肩のねん挫で」「腰痛?腰部のねん挫で」
なんてことがまかり通っていた時代があったと聞いたことがあるような気がしないでもないような有るような・・・(察して下さい)
またまた“ちなみにですが、”ねん挫とは「関節に強い力が加わり不自然な方向にひねられることで、関節を支える周辺組織が傷つくケガという状態です。
ひねられる(捻られる)ことで起こりますから「ねん(捻)挫(くじける)」です。
「関節を支える周辺組織」で一番イメージしやすいのは「靭帯」ですね。他に、「腱」や「関節軟骨」や「半月板」「関節包」なんかもそうです。これらをひっくるめて「軟部組織」なんて言ったりしますが、これらが「傷つくケガ」が「ねん挫」です。
これらが傷つくとどうなります?
なんらかの「出血」しませんか?
内出血です。赤く腫れて、触ると熱くて、痛みがあって、動かしにくくなります。
これらを、難しい言葉で「炎症の五大徴候」なんて言ったりします。
発赤(赤く)、腫脹(腫れて)、発熱(触ると熱くて)、疼痛(痛みがあって)、機能障害(動かしにくい)
よく聞きません?「炎症が起きてますね。シップ(モーラステープ)出しときます」なんて。
モーラステープには抗炎症作用があるんです。
けど、どうですか?
肩こりに炎症ってありますか?
確かに、疼痛(痛みがあって)、機能障害(動かしにくい)はありますが、発赤(赤く)、腫脹(腫れて)、発熱(触ると熱くて)ありますか?五大徴候のうち三つも無いですよ。
言い換えれば、関節を支える靭帯や腱や軟骨や半月板や関節包に傷がついて出血してますか?
してないと思うんですよねぇ。
なんなら、「いつ・どこで・何をしていて痛めたか」がはっきりしている急性の外傷(ケガ)」であるぎっくり腰や寝違えで赤く腫れて熱っぽかったりしたことありますか?
今まで20年近くこのお仕事させて頂いていますが、ぎっくり腰で来られた患者様のお腰が熱っぽかったことって無いんですよ。
それこそ、(今も流行ってるのかな?)整骨院・接骨院で保険が適用される交通事故の治療。
特に、「外傷性頸椎ねん挫」と言われる「むち打ち」。
そういう方でも、首に熱っぽさを感じたことはないんです。
自分の中では、熱っぽさを感じない痛みを「非炎症性疼痛」と呼んでいます。勝手に。
昨年松山に移転する際、心に誓いました。
「『整骨院』という看板を掲げてしまうと、自分の信念に反してでも患者様の希望に沿わねばならなくなる」
いや、言葉がキレイです。キレイ事ですね。
「『整骨院』という看板を掲げていると、法律無視してでも売り上げを上げたくなる誘惑に負けちゃう」
と思ったので、屋号から「整骨院」を外しました。完全自費の「腰痛・坐骨神経痛専門」として再出発しました。
「いつからかは忘れたけど、ずーっと前から」
という電話口のお父さんが行ってらっしゃる保険が使える所は
「そうなん?今行きよるとこは保険でやってくれよんじゃけど」
とのこと。
保険使って頂ければ、おそらく安価で診てもらえるのでしょう。
安価だから通いやすいのでしょう。けど、
「ずーっと前からでのぉ、全然良ぉならんので聞いてみたんじゃわぁ」
もちろん、ボクの所だと一発で良くなるとは言い切れません。
けど、「ずーっと」通ってもらわないで、元気に過ごせていただけるお手伝いは出来ると思ってます。






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