新しいラーメン屋と問診
「先生、知らんかいねぇ。サニーマートの近所に出来た、新しいラーメン屋」
「(ん???)」

患者さんとの会話ですが、私の退院後の食生活の話の中でのこと。
「いやぁ、脂っこいモンとか食べなくなりましたねぇ。学生の頃は、近所のおかわり自由の定食屋さんのブタの生姜焼き定食でアホ程ご飯お代わりしてたんですけど」
に続いて、患者さんの冒頭のセリフです。
この方、昨年ここ松山に移転はして来たものの、私が今治在住ということ(≒松山はまだそこまで詳しくない)はご存じです。
で、
「(ん???)」
「知らん?そこ、ご飯のお代わりし放題やから、学生さんとか多いのよぉ。先生にも行って欲しいわぁ」
「ウチの近所のサニーマートの近くなんよ」
「(そうか!〇〇さんの家の近くのサニーマートね。けど、〇〇さんちってどこやったっけ?)サニーマートですか。どの辺にありましたっけ?」
「えっとねぇ。ここから行ったら大きい道・・・あれ、何号線やったかな?3車線くらいある大きい道よ」
「(ん?3車線?ここから行ったら?この近くに、そんな大きい道あったか?)大きい道って言うと・・・国道ですか?」
「国道やろねぇ。のうめん通りとぶつかる所よ」
「(ぬぬぬ!“のうめん通り”???それが、どこよ!?)スミマセン、今治人だからかピン!と来てないんです。のうめん通りってどこですか?」
「あ、知らん?ウチの近所なんよねぇ。あれ?のうめん通り言うんと違おたっけ?」
「(ちょ、ちょ、そもそも〇〇さんの家が今一ピンと来てないし。ていうか、その“のうめん通り”も違うの???)〇〇さんちの近所のサニーマートって言うと、近くに何か目印みたいなのありますか?」

「前が大きい道なんよ。東温市に行くね」
「(東温市というと、11号か?けど『ここから行ったら』というには距離がありすぎるけど)東温市ですか・・・」
「えっとねぇ、ここを行ったら高架があるでしょ?」
「(こ、高架???)それって、朝生田のイオンを超えた所の?」
「そうそう。そこから、アレ高速道路かいねぇ、それに乗って・・・」
「(高速道路ちゃうわ!金払わへんやろw)あ、バイパスですかね。11号線ですね。(確かに、東温市に行く国道やわ)とすると、朝生田のイオン過ぎて、坂超えた所の信号を右行って、11号線に乗って・・・あ、サニーマートありますね。ありました。あの道沿いなんですね。(片道2車線じゃなかったかな?ま、ええけど)」
「そうそう。それがその“のうめん通り”とぶつかる所やったかな?“のうめん通り”じゃなかったかな?」
「のうめん通りって、どの辺ですか?サニーマートがある交差点も、11号線とぶつかる細い道がありますけど」
「あ、じゃぁ、違うか。けど、あの辺よ」
「(『違う』て。そこ、ハッキリせんと。大事なトコやんか)へぇ~。今治に変える時、たまに11号線通るんですけど、気づきませんでしたわぁ。11号線の左側ですよね」
「え?右側、右側」
「(んなもん、あの交通量で右側見てたら事故るわ^^;!!!)あ、右側なんですね。とすると、帰る逆方向やから、時間があったら寄ってみます(おそらく、行かんけど)」
結局、患者さんがおっしゃられているお店がどこにあるかはハッキリしませんでしたが、この会話にものすごく大事な教訓があるんです。
自分とすると、こう言ってもらうと端的でした。
「国道11号線を今治に向かう途中のサニーマート辺りの反対側に出来た新しいラーメン屋さん、以上」です。
ただ、ここにたどり着くまでの患者さんのキーワードはこれだけありました。
・サニーマートの近所に出来た新しいラーメン屋
・ウチの近所のサニーマート
・3車線くらいある大きい道沿いのサニーマート
・のうめん通りとぶつかる大きい道
・のうめん通りは患者さんのおうちの近所
・東温市に行く大きい道 『ここから行ったら』
・高架がある大きい道
で、それぞれについての自分の「?」がこう。
・サニーマートの近所に出来た新しいラーメン屋・・・どこのサニーマート?

・ウチの近所のサニーマート・・・〇〇さんのお家ってどこだっけ?
・3車線くらいある大きい道沿いのサニーマート・・・3車線もある道?
・のうめん通りとぶつかる大きい道・・・「のうめん通り」ってどこ?

・のうめん通りは患者さんのおうちの近所・・・だから、その「近所」の出発点が^^;
・東温市に行く大きい道・・・11号線っぽいけど、『ここ(上地図左側の赤い矢印)から行ったら』というには距離がありすぎじゃね???
・高架がある大きい道・・・あ、やっぱりか!
とすると、こっちからのキーワードとして
「朝生田のイオン」
を提示することで、やっとこさ○○さんと認識が合致に至りました。

あ、決してアレですよ。
以前、結構話題になったあの本「話を聞かない男、地図が読めない女」
みたいな事を言いたいんじゃないんです。
〇〇さんは〇〇さんなりに一所懸命私に説明しようとしてくれていたんです。
けど、その「出発点」は基本的に「自分」なんです。相手方の「私」じゃないんです。
「私」が基準なら
「国道11号線を今治に向かう途中のサニーマート辺りの反対側に出来た新しいラーメン屋さん、以上」
で終了ですが、その「出発点」はあくまで「私」。〇〇さんじゃありません。
それを期待するのは無理ですし、何なら傲慢な態度です。
「問診」がまさにコレです。
患者様の「主訴」の「出発点」は、何があろうと絶対に「患者さん」なんです。
もっと言えば「患者さんの【主観】」
例えば「痛い」ということが「主訴」の患者さん。
冷たく聞こえるかも知れませんが「私」とすると、「痛いんだろうなぁ」とは理解出来ても「どんな痛さ」かを完全に共感することは不可能だと割り切っています。
例えばカレーライス。

「私」が「カレーライスが好き」というと、相手方は「あぁ、この人はカレーライスが好きなんだなぁ」とは理解出来ても、「私」がカレーライスを食べている時にどんな気持ち【主観】になっているかの完全な共感って出来るでしょうか?
これが、ラーメンであろうと、お寿司であろうと同じです。

女性タレントさんにしたってそう。
「私」が「あの女性タレントさんいいなぁ」という時、相手方は「あぁ、この人はあのタレントさんが好きなんだなぁ」とは理解出来ても、「私」がそのタレントさんを見ている時にどんな気持ち【主観】になっているかの完全な共感って出来ないと思います。
「顔がタイプだ」かも知れないし、
「スタイルええなぁ」かも知れないし、
「話が上手だなぁ」かも知れないし、
「嫁さんにしたいなぁ」かも知れません。
ただ、こうすれば「共感」に近づきます。
質問です。
「顔がタイプなの?」、「スタイル?」、「話が上手さなの?」、「結婚したいくらいに?」という。
冷たく聞こえるかも知れませんが「私」とすると、「痛いんだろうなぁ」とは理解出来ても「どんな痛さ」かを完全に共感することは不可能だと割り切っていますが、「共感」に近づくことは可能だと考えています。ていうか、極力近づきたいんです。
自分で言うのも何ですが、ウチの院は話が長いと思います。
下手すりゃ初診の時は話が大半で、施術が10分程度だったりすることもあります。
けど、その10分で何らかの結果をお感じ頂くためにも話(=問診)をしっかりさせていただきます。
「〇〇さんの、そのお悩み、顔がタイプなの?、スタイルがいいの?、話が上手いの?それとも結婚したいの?と。
お付き合い頂けると、少しでも早くお悩みの解決に近づくと考えています。いえ、確信しています。






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